At The Bimhuis 1982 / Steve Lacy  



  1950年代に初めて共演を果たし、約40年にわたりコンビを続けたスティーヴ・レイシーとマル・ウォル・ドロンが、82年にアムステルダムの名クラブ "BIMHUIS"でのライヴ録音。本作品は2006年発売の未発表作品であるが、内容の濃いものになっています。マルの強力なピアノ・タッチ、レイシーのまろやかに流動感溢れるプレイで、その演奏はスリリングに満ちた展開になっています。レイシーはここでもセロニアス・モンクの曲を3曲と精力的に取り上げているのも注目。

1曲目〈ブルース・フォー・アイダ〉は、レイシーの代表曲。レイシーのソプラノ・サックスのゆったりとストレートに流れるテーマが素晴らしい。レイシーは太く柔らかく落ち着いた音色で実にのびのびと聴かせ、又笛のような音を使ったプレイが展開されています。マルはこの曲ではバックに徹しています。



2曲目〈スネーク・アウト〉は、マルの作曲。マルの威勢のいいピアノで始まり、アップ・テンポで、レイシーは多彩な音色をもって、縦横無尽に疾走感溢れるプレイ、後半のソロでは澄み切った音色、動物の唸り声など表現豊かなプレイを展開、マルは柔らかく力のこもった独創的なソロを繰り広げています。
youtube.com/watch?v=DG9pXolJqG0

3曲目〈リフレクションズ〉は、セロニアス・モンクの作曲。ゆったりとしたテンポのバラードで、レイシーは滑らかで柔らかくメロディーを奏でる。レイシーの優しく包み込むようなソプラノ・サックスが心地いい。マルも華麗なタッチを響かせる気持ちの込めた演奏です。

4曲目〈ラウンド・ミッドナイト〉は、モンクの代表的な曲。スロー・テンポで、出だしのふくよかな音色がいいです。そして、おおらかな感じでレイシーはテーマを奏でる。レイシーはまろやかな温かいプレイを展開、マルはしっとりと心地良く聴かせます。
youtube.com/watch?v=1R_knUN_rMo

5曲目〈エピストロフィー〉は、言わずと知れたモンクの名曲。ミディアム・テンポで、レイシーが奇妙なメロディーを奏でる。レイシーはソフトなブロウで自由自在なプレイ、マルはリズミカルに、躍動感溢れる演奏を繰り広げています。なんとも言えない緊迫感があっていいです。
youtube.com/watch?v=Y0wt5khUKWA

At The Bimhuis 1982の商品詳細ページ

   

 Recorded. December 10, 1982.
 Daybreak. 


 Steve Lacy soprano sax
 Mal Waldron piano

 1. Blues For Aïda 7:09
 2. Snake Out 15:23
 3. Reflections 7:41
 4. Round Midnight 9:13
 5. Epistrophy 9:24